モラトリアムの狭間で
okkaaa SS21 live
about SS21
モラトリアムの狭間で
「ほら、波乗りしながら考えてご覧。このゆらぎを味方にするんだ。だって、この波の揺らぎはもう一生止むことはないんだよ。だからね、僕はこの狭間でなんとか頑張ってみようと思うんだ 。本当にひどいものだよ。社会というものはこんなにも悪で辛いものなんだね。けれども、僕にはあきらめ切れないものがあるんだ。あさましくてもいい、僕は生き残って、思う事をなしとげるために、世界と戦ってみるよ。」
okkaaa
Tokyo Eye 8
【Ticket】
¥2,000
※チケット購入時、必ずメッセージ欄にお目当てのアーティストを1組入力お願い致します。
【配信時間】
17:35〜20:00(予定)
※イベントの進行状況によって終演時間は多少前後する可能性がございます。
【出演】
UEBO
大橋ちっぽけ
okkaaa
(五十音順)
※応援投げ銭(お茶爆50・100・500)も可能です。無理のない範囲で出演者・配信者のご支援お願い致します。
※リアルタイムに視聴出来ない方も、放送終了後2週間まではアーカイブが残っていますので、放送終了後でもチケット購入でお楽しみ頂けます。
※配信内容を録画するなどして再配信する行為は禁止させて頂いております。
about SS21
ラ
イ
ブ
に
寄
せ
て
なぜ音楽をやり始めたか、簡単に言えば、うまく伝えられない自身の感受性や感性を形にしたいと思ったのが始まりかもしれない。これには幾分、変化はあるかとは思うが、僕が音楽を作る時は沢山の聴き手を必要としていない。むしろ自分の眼の意識でしかない。だから僕が自分の音楽を再び聴く際には、その時の情景や感情がマジックのようなリアリズムを持ち始めSF的な原風景でタイムスリップしていくのだ。(といっても頻繁に聞くわけでもないけど)とりわけこの季節はSS20を聴くと、ウィズコロナだか、アフターコロナだか、沢山の思想が蔓延していた窮屈で閉塞感に満ちたあの頃を思い出す。
–––––カモが一匹、のんびりと気持ちよさそうに浮かび、間近は心地の良い天気の模様をはっきりと写すかのように光が乱反射している。僕は春の香りを嗅ぎ、明るい波の先の水平線の彼方を見つめた。僕の周りには誰もいない。鳥の声は鳴き止んだ。空気一体が不思議なまどろみを帯び始め、水平線の彼方はどんよりと曇っていくような気がした。そしてその境界線の領域はとうとう自分の家の広さだけに留まり、私の想像力が閉ざされていく。しかし鳥が近くで鳴こうとしているのは確かだった。
okkaaa
セットリスト
SS21「モラトリアムの狭間で」
1. モラトリアムの狭間で
2. シティーシティー
3. SS20
4. awake/asleep
5. 煌めき
6. twenty sailing
7. CODE
8. 積乱雲
9. DIVE
1999年生まれ、20歳。 アーティスト、文筆家。
若干二十歳のアーティスト/文筆家/フォトグラファーという様々な側面を持つ今期待の新世代DIYミュージシャン。心地よく囁く声と歌詞が特徴で、Daniel Caesarや宇多田ヒカル、小説家・村上春樹などからの影響を受け、ヒップホップ、R&B、ゴスペルなど様々なジャンルの要素を感じることができる。楽曲制作もさることながら、ミュージックビデオの制作、楽曲のジャケットやwebサイトなども全てセルフプロデュースしている。
2019年2月には楽曲「シティーシティー」がSpotifyのバイラルチャートにランクインし、2019年7月にはSpotifyの新人発掘プロジェクト「Early Noise」のカバーを飾る。音楽プロデューサー・加茂啓太郎、音楽ジャーナリスト・柴那典らが審査員を務めるEnter Tech Lab主催『CHACCA CHALLEGE』で最優秀賞を獲得。彼のシングル「積乱雲」は2019年のベストミュージックとして数多くのキュレーターからピックアップされ、グラミー賞にノミネートされたプロデューサー/ DJのstarRoなど、日本の最もホットなプロデューサーからの支持を得ている。
Profile
Heartbeat (2021)
生きる感謝の鼓動
新たな世界に一歩を踏み出すことが難しくなった今、ありのままでいることの大切さをコロナ禍の経験を通じて書きました。自身がコロナに感染したこともあって、「当たり前」の有難さや「生きていることへの感謝」という確かな実感があるんです。そして今その感情を語ることは僕にとっては欠かせないテーマでありますし、かなり大きな意味を持つこととなりました。なので、今までにない力強い詩曲ができたのではないかと思っています。本楽曲が聞いてくれる皆様の、ありのままを肯定してくれる、そして背中を押してくれるようなそんな役割を担えたら幸いです。ぜひ聴いてみてください。
ID20 (2020)
リアリズムの文体とノスタルジー、魂が交通する歪みと夢
サイケデリックな夢とその現実を通して伝わる意識の波動が普遍的に敷衍していくリアル。「ここはぼくの中の印象的な想像力そのもので、深い井戸なようなもの。ここで、他世界に出てからはなくて叶わぬいろいろな美徳や才能に思いを巡らせ、いたずらな気の中に世の荒波を乗り越えていくためにユーモアと軽快さを見出した。いっさいのフィルターや数字はぼくには関係なかった。ノスタルジーからリアルを抉り出した現在のコントラスト、静かなためらいと抵抗の心持ちを大切に、道もない森に入りそして遠くの野原をほっつき歩く。」
明晰夢 (2020)
桃源郷的な世界で堕落と希望の波動を感じる
本楽曲は夢と現実の狭間を行き来するような不思議な作品となりました。音楽を作ってる時は夢を見てるような心地になるんですよね。桃源郷のような手触りを感じて夢中になってしまう。そんな明晰夢的な空間が詰まっています。とはいえ自己への陶酔は許さないでいたい。前作『煌めき』にもつながる叙情性もあったりするので前作も踏まえて楽しんでもらえたらなと思います。とはいえ歳を重ね,新たなフェーズに向かう必然性を感じています。そんな次に進む心持ちも伝わればいいなと思っています。ぜひ聴いてみてください。
NOTE
about SS21
直子「思うんだけど人って、十八と十九の間を行ったり来たりすべきなのよ。十八が終わったら十九になって、十九が終わったら十八になるの。そしたら…、そしたら、色んなことがもっと楽になるのに」
(村上春樹『ノルウェイの森』)
Florentino Ariza, en cambio, no habia dejado de pensar en ella un solo instante despues de que Fermina Daza lo rechazo sin apelacion despues de unos amores largos y contrariados, y habian transcurrldo desde entonces cincuenta y un anos, nueve meses y cuatro dias10
これ に反 して 、 フ ロ レ ンテ ィー ノ ・ア リサ はず っ と彼 女 の こ と を想 い、 気 を揉 ん だ 後 、フ ェ ル ミナ ・ダサ に き っぱ り と撥 ねつ け られ て か らとい う もの 、 一 時 た りと も彼女 の こ とを忘 れ なか った が 、 そ の 時 か ら51年9ヶ 月 と4日 も の月 日が 流 れ て い た。
(ガブリエル・ガルシア=マルケス『コレラの時代の愛 』)
ねぇウィルヘルムーそうするとぼくはもうなんにもいえなくなってしまう。僕は僕自身の内部に引き下がって、そこに一つの世界を見つけ出すのだ。むろん形のないはっきりとした力強い世界じゃない。予感とおぼろげな欲求のうごめいてる世界だ。そうしてそこでは一切が流れ動いている。僕は夢うつつにそういう世界に心楽しく身を投げかけていくのだ。
(ゲーテ『若きウェルテルの悩み』)