okkaaa | pt.III
風 ——「桜の木々が僕に旅の誘いを聴かせる」
作 okkaaa
lyrics & music: okkaaa, arranged by okkaaa, 8ROKEBOY,Mantra, district34, 8ROKEBOY, runawaymusic ,produced by okkaaaa,Recording,
Mixing & Mastering engineer: okkaaalyrics & music: okkaaa, arranged by Mantra, district34, 8ROKEBOY, runawaymusic Recording, Mixing & Mastering engineer: okkaaa
月 ——「輝くまであと少しだけ待って欲しい。」
愛 ——「忠実な愛には危険がつきものさ」
これは、SELF LINER NOTESではない。
小説でもない。
歌詞でもない。
楽曲と歌詞をつなぐ、ひとつの物語。
アプリを開き注文が来るまで待機する。通知音がなったら仕事がはじまる。僕はその時二十歳で、宅配サービスの配達パートナーをやっていた。それでいて、しがないインディーミュージシャンの一人でもあった。
通知がなると、仕事を始めるのに必要な装備を一通り揃える。(まあヘルメットをしてある程度の防寒具を身につけたら準備は終わってしまうのだが)道具はあらかじめ決まった場所に用意されてあって、きちんと整理整頓してある。僕はある程度決まった道筋に従って、わり切って物事を進めていた。
ある程度荷物を用意したなら、いつもの自転車に乗って見慣れた景色をかけていく。適切な速度で。1件の配達が終わると、概ね1番最初のスタートラインから離れてはいないものの、見知らぬ場所に到達している。それが何度も何度も繰り返され、1日で15件も回ると、自分の知らないような場所に辿り着く。自分の地域を広範囲にぐるっと回っている時もあれば、同じようなところ何度も何度も往復して訪れることもある。はじめのころは、その流されていく感覚が好きだった。得体も知れぬ大きな循環システムの中で、自分の知らない世界に体を持っていかれる。しかし、大きなシステムには必ず形がある。そして慣れていくうちにそのシステムの一部が見えてくるようになる。この地域はこのラインが1番盛んだったとか、ここに行くとこういう風なところに飛ばされていくといったような共通のライン/線が見えてくる。その線はまるでその街の筋肉のようだった。生き物のように不規則なリズムで、でも大きく俯瞰してみればある一定の規則やルールに則っている。何度も何度もそのライン/線の上をなぞっていくことで、僕はその循環システムの/生命体のリズムを感じることができる。何度も何度も上書きしていくことでやがて全体像が見える。細切れになって終わってしまう、短期のものとは少し違った面白さがあった。大きな交通網の胎動を不安定な収入の中感じ取っていた。
次第にライン/線がある場所ない場所というのもわかってくるようになってくる。交通が盛んな場所には常に風が流れていて、絶え間なくそのラインは動きまくる。そして風のない場所には通知音さえならない。ただそこで自転車を漕ぐだけの時間が訪れる。僕はその時間が結構というか、かなり好きだったと思う。その時間はある程度、自分の好きな方向を決めることができた。ただそこで選択を迫られる。風のある方に進むか、風のない方に進むか。もう一人の自分は知っている。風のない方にいくコンセプトの方が正しいってことを。でも生きていくためには風のある方を選ばないといけない。ある程度のミッションはこなさねば、その日は暮らしていけないから。僕はもっと遠くへ行きたかった。本当は自分の知らない街で自分の知らない風を感じ、ただひたすらに走っていたかった。それでも自分の目の前には限られた領域、時間、空間、がありありと存在する。それは僕を縛りつけた。そしてその領域、時間、空間は同時に自分にとってのセーフティーでもあった。縛り付けられているこの網の中で何が自分はできるのだろうか。本当の意味で自分は風に身を委ねて、ただひたすらに漂っていることはできているのだろうか。
そんなことを考えているうちに言葉にならない怒りのような、苦しみのような、悔しさのような、情けなさのような、感情がふつふつと自分の中から湧いてきた。
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風のない夜に自転車を走らすコンセプト
桜の木々が僕に旅の誘いを聴かせる
気紛れ更新で旅する君にはたまにはタルトで
(All right! I gotcha Love me Love me babe)
折り重なっていった気持ちも捨ててって手ぶらで海まで
(All right! I gotcha Love me Love me babe)
風に波乗りして
遠くまで行こうぜ
流れる音掴んで
踊り続けてたいね
耳を澄まして
ほんとうの心を捉えろ
風のアーティスト
オーライ!
その風に波乗りして
あとは信じるだけです
心の中でずっと
踊らせ続けるものを
風に波乗りして
遠くまで行こうぜ
何もかも消し去って
自分もなくなるくらいに
踊り明かしたなら
どこまで行ける?
勝算のコンセプト
今は気ままにやってるけれど
永遠に続く物語、信じてみるかい
(風のアーティスト)
風のアーティストの物語。
風のアーティストの物語。
<AUDIO 01>
What's loveの物語。
<AUDIO 02>
0428(FRI)